変動金利が変動する仕組みを解説2025年2月26日(水)
住宅ローンを検討する際、変動金利か固定金利のどちらにするかは重要なポイント。特に変動金利は市場の動向によって返済額が変わるため、その仕組みを正しく理解することが大切です。
2025年1月に政策金利が「0.5%程度」に引き上げられた影響で、金融機関が提供する変動金利型住宅ローンの金利も上昇し、毎月の返済額が増加する見込みとなっています。金利上昇が続くと、住宅ローンの総返済額が大幅に増えるリスクがあるため、今後も金利動向には十分な注意が必要となっています。
今回は、この変動金利の基本と返済額を抑えるための2つのルールについて詳しく解説します。

変動金利とは?
変動金利とは、金融機関が定める基準金利に連動し、定期的に見直される金利のことを指します。住宅ローンなどで採用されることが多く、市場金利の変動に応じて金利が上下します。そのため、借入時の金利が低くても、将来的に金利が上昇するリスクがあります。
変動金利が決まる要因
1. 短期プライムレート(短プラ)
銀行が優良企業に短期貸し出しを行う際の最優遇金利で、変動金利の基準となります。この金利が変動すると、住宅ローンの変動金利にも影響を与えます。
2. 日本銀行の金融政策
日本銀行は「政策金利(無担保コール翌日物金利(※))」を操作して市場金利をコントロールします。政策金利が引き上げられると短期プライムレートも上昇し、それに伴い変動金利も上昇します。逆に、金融緩和政策が実施されると金利が下がるため、住宅ローンの金利も低下します。
※無担保コール翌日物金利 … 金融機関同士が担保なしで資金を借りて翌日に返済する取引における金利のこと
3. 景気動向
景気が良くなると企業の投資活動が活発になり、資金需要が増えるため金利が上昇しやすくなります。逆に、景気が悪化すると企業の資金需要が減少し、金利が低下する傾向があります。住宅ローンの変動金利もこの影響を受け、景気の動向によって変動します。
4. 海外の金利動向
日本の金融市場は海外市場とも密接に関係しています。特にアメリカの金利動向は日本にも影響を与えるため、米国の政策金利が上昇すると、日本の金利にも波及し、住宅ローンの変動金利が上がる可能性があります。
変動金利の返済額を抑える2つのルール
変動金利には、金利上昇時の返済額の急激な増加を抑えるための「5年ルール」と「125%ルール」という2つの仕組みがあります。対象になるのは元利均等返済の場合のみに限ります。元金均等返済にルールを適用すると「元金の返済を一定にする」というしくみが成立しなくなってしまうため、元金均等返済にはルールが存在しません。
また、2つのルールは銀行が個別に採用している制度のため、すべての銀行で利用できるものではないので注意が必要となります。ローンの内容をしっかり確認し、総返済額のシミュレーションをしっかり行うことが重要です。
5年ルール:金利が変動しても、最初の5年間は月々の返済額が変わらない。
125%ルール:5年ごとの金利見直し時に、返済額が従来の125%を超えないよう制限される。
下記は5年ごとの金利見直しのタイミングで、月々返済額が最大125%上昇となったと想定した場合のシミュレーションです。
【例】借入額3,000万円、返済期間35年、初期金利0.475%(変動金利)
返済期間 | 金利 | 月々返済額 | 元金 | 利息 |
---|---|---|---|---|
1年目~5年目 | 0.475% | 77,545円 | 65,670円 | 11,875円 |
6年目以降 | 2.160% | 96,948円 | 50,742円 | 46,206円 |
11年目以降 | 4.180% | 121,710円 | 42,882円 | 78,828円 |
16年目以降 | 6.700% | 151,479円 | 39,812円 | 111,667円 |
21年目以降 | 10.05% | 189,238円 | 42,488円 | 146,750円 |
26年目以降 | 17.50% | 237,131円 | 17,506円 | 219,625円 |

住宅ローンを含む貸付には、利息制限法による借入額に応じた上限金利が設定されており、元本が100万円以上の場合は最大15%の利息となります。35年間の間ずっと金利上昇が続いたとしても、途中で利息制限法に抵触するため、それ以上の上昇は不可能となり、グラフにあるような急激な金利上昇は非現実的といえます。
まとめ
変動金利は、低金利時にはメリットがありますが、金利上昇時のリスクも伴います。5年ルールや125%ルールといった仕組みにより、返済額の急激な増加は抑えられますが、長期的な視点でのリスク管理が必要です。住宅ローンを選ぶ際は、自身のライフプランや将来の収入の見通しを考慮し、家計の負担を増やさないよう変動金利の特徴を理解し、固定金利への切り替え対策なども検討した上で、最適な選択をすることが大切です。
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